2. ワークショップについて

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このワークショップではいくつかの FOSS4G ツールを使用します。ほとんどの FOSS4G ソフトウェアは他のオープンソースプロジェクトに関連があり、それらのすべてをここで列挙することは度を過ぎるでしょう。

2.1. pgRouting 概要

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pgRouting は地理空間ルート検索機能を提供するために PostGIS / PostgreSQL 地理空間データベースを拡張します。

データベース上で経路探索を行う方法の利点には、以下のようなものがあります。

  • データや属性を、多くのクライアント、例えば QGIS や uDig から、JDBC や ODBC、もしくは直接 Pl/pgSQL を発行することで、変更することが可能です。
  • データの変更は、ルート検索エンジン経由ですぐに反映させることが可能です。事前の計算処理は必要ありません。
  • 「コスト」 パラメータは SQL 経由で動的に計算可能で、複数の列やテーブルからの値を使用することも可能です。

pgRouting ライブラリは以下のコア機能を有しています:

pgRouting はオープンソースで、GPLv2 ライセンスで提供され、Georepublic, iMaptools そして広範なユーザーコミュニティによってサポート・メンテナンスされています。

pgRouting は OSGeo コミュニティプロジェクト - OSGeo ファウンデーション のプロジェクトで、OSGeoLive に含まれています。

ウェブサイト:http://www.pgrouting.org
OSGeoLive:https://live.osgeo.org/en/overview/pgrouting_overview.html

2.2. osm2pgrouting 概要

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osm2pgrouting は OpenStreetMap データを pgRouting データベースにインポートするコマンドラインツールです。このツールはルート検索ネットワークトポロジーを自動的に構築し、地物種別と道路クラスのテーブルを作成します。osm2pgrouting は最初に Daniel Wendt により実装され、今は pgRouting プロジェクトサイトでホストされています。

osm2pgrouting は GPLv2 ライセンスで提供されています。

Wiki: https://github.com/pgRouting/osm2pgrouting/wiki

2.3. OpenStreetMap 概要

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「OpenStreetMap (OSM) は道路地図などの地理データを全世界で自由に作成し提供することを目的としています。OSMプロジェクトはもともと、あなたがフリー(訳注:無料、自由の両義)だと思っているほとんどの地図という物が、実は法的あるいは技術的な利用制限がある、ということから始まりました。OSMからみると、こういった制限は、誰もが生産的あるいは想像だにしない方法で地理データを使ってイノベーションを産み出そうとすることを妨げています。」

(原文: http://wiki.openstreetmap.org/wiki/JA:Portal:Press)

OpenStreetMap は pgRouting で使用するにあたり、十分なデータソースです。なぜなら、自由に利用可能で、データを処理する上で技術的な制限が無いからです。データの入手可能性は、まだ国によって変わりますが、世界的な網羅範囲は日々拡大していっています。

OpenStreetMap は以下のトポロジカルデータ構造を使用しています。

  • ノードは地理情報的な位置を持つポイントです。
  • ウェイはノードのリストで、ポリラインまたはポリゴンを表現します。
  • リレーションは、ノードやウェイ、他のリレーションをグループ化する要素で、プロパティを割り当てることが可能です。
  • プロパティは、ノードやウェイ、リレーションに対して適用可能で、name=value のペアから構成されています。

OpenStreetMap ウェブサイト: http://www.openstreetmap.org